general inheritance

相続一般

特別縁故者財産分与の申立ての流れ

2020.09.01

1 特別縁故者に対する財産分与申立てに至るまで

特別縁故者の財産分与申立てを行うためには、以下のステップを踏む必要があります。

①相続人の有無を確定

相続が発生することが大前提ですから、当然被相続人の死亡がスタートです。そして、被相続人が死亡した段階で、相続人がいる場合には、特別縁故者のケースに当たりません。

そのため、まずは被相続人の戸籍を取得し、相続人の有無を確定させなければなりません。本来、特別縁故者は法律上ないし戸籍上は相続できる立場ではないので、あくまで相続人がおらず、国に帰属する直前で財産を受け取ることが認められているに過ぎないのです。

②相続財産管理人の選任の公告(民法第952条)

戸籍の取得をし、検討した結果、相続人がいないことが確定した場合、「相続財産管理人の選任」を行います。相続財産管理人の公告は2ヶ月間行われることになりますが、この期間に相続人が手を挙げると、相続財産はその相続人が承継することになるので、特別縁故者のケースには当たらないことになります。

③債権申出の公告(民法第958条第1項)

相続財産管理人の公告が行われた後は、相続財産管理人によって債権申出の公告が2ヶ月間行われます。つまり、相続人がいなかったので、次は「お金を貸している人はいませんか?」という呼びかけをするようなイメージです。この債権申出によって、債権者が現れ、相続財産を超えるほどの債務が判明した場合には、この相続財産から返済されるため、特別縁故者のケースには該当しません。

④相続人捜索の公告(民法958条)

債権申出の公告期間が満了すると、次は相続人捜索の公告が6ヶ月間行われます。この公告期間を経過すれば、相続人や債権者は自身の権利を主張することができなくなります。つまり、この期間は、相続人や債権者に与えられた最後の機会なのです。

⑤財産分与の申立て(民法第958条の3第1項)

①から④の段階を経たうえで、ようやく家庭裁判所に特別縁故者の申立てができるようになりますが、この特別縁故者の申立てに関しては、上記④の公告期間の満了後、3ヶ月以内という期間制限が設定されています。

2 まとめ

特別縁故者制度について見ていきましたが、上記のとおりかなり時間もかかりますし、専門的な知識も必要になります。

手続に関しては、専門家である弁護士に依頼して手続きを行うのが一般的ですが、やはりそれなりにコストがかかるものですので、それでも特別縁故者の申立てを行い、特別縁故者として取得できる大まかな財産額を見てからでないと、手続きを進めるべきかどうかの判断すらできません。
ですので、一度専門家である弁護士に相談しながら、実際に特別縁故者の申立てまで行うべきか否か、検討されてくださいね。

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