弁護士法人菰田総合法律事務所

親族内承継

親族内承継とは

現経営者の子供や娘婿など、親族を後継者とする事業承継を「親族内承継」といいます。会社を子供に引き継ぐのは一般的な方法であり、社内外の関係者から心情的に受け入れられやすいというメリットがあります。

また、早い時期から子供が後継者となることが決まっていれば、準備期間を長く確保できるため計画的に事業承継を進めることができ、相続等により財産・株式を後継者に移転できるため、所有と経営の一体的な承継が期待できます。

後継者の選定・育成

近年、事業承継全体に占める親族内承継の割合が減少しています。現経営者に子供がいても、他の企業でサラリーマンとして勤務していたり、地元を離れ都会に生活の基盤を築いているなどの理由から、後継者になる意欲がないケースが増えています。

また、子供が複数いる場合には、その中で誰を後継者とすべきかという問題もあります。後々親族間で不満が出ないよう、対話を図り同意を得ておきましょう。

後継者が決まると、経営に必要な能力・知識を習得するために後継者教育を行います。社内において現場での経験を積み他の従業員との信頼関係を築く、取引先や同業他社で勤務して自社を客観的に見る、中小企業大学校や商工会議所で後継者対象のプログラムを受ける等の方法があります。

社内での教育

社外での教育

株式の集中

株式の集中事業承継において、現経営者の段階で株式が複数の株主に分散していると、後継者が会社を安定的に経営することが難しくなります。
株主総会の普通決議は過半数の議決権を有していれば足りますが、特殊決議は4分の3の議決権が必要です。
また、たとえ少数株主であっても株主提案権や各種の閲覧請求権を有するので、中小企業ならば全ての株式を取得しておくことがスムーズな経営につながります。株式が既に分散している場合、以下の方法を用いて株式を現経営者に集中させます。

① 合意による取得

他の株主と保有株式を譲渡する合意を締結し、株式を取得します。譲渡制限株式の場合は譲渡承認手続が必要です。株式を保有している人が友好的な関係でなければ合意に至ることは困難です。
また、現経営者に買取資金が必要となるので、もし現経営者の資金が不足している場合は別の方法を検討しましょう。

② 会社による売渡請求権の行使

会社は定款に規定することで、譲渡制限株式を保有する株主に相続が発生した場合、その株式の売渡しを請求することができます。相続人が複数人いるとますます株式が分散してしまうため、これを避けることは重要です。
もし定款に定めがなければ、定款変更の手続を行うことが必要になります。

③ 議決権制限株式

定款に規定して議決権制限株式を発行し、その株式を有する株主の議決権行使を制限する方法です。議決権制限株式が分散していても、経営権は現経営者に集中させることができます。
既に発行している株式を議決権制限株式に変更することも可能ですが、定款変更の手続が必要です。

④ 全部取得条項付種類株式の活用

全部取得条項付種類株式とは、「2種類以上の株式を発行する株式会社が、そのうちの1つの種類の株式の全部を株主総会の特別決議によって取得することができる旨の定款の定めがある種類の株式」をいいます。

下の図のような流れで、議決権の100%を現経営者が取得することができます。

⑤ 特別支配株主の株式等売渡請求権の利用

会社の議決権の90%を所有する特別支配株主は、公正な価額を提示して、株主全員に対して所有する株式の全部を特別支配株主に売り渡すよう請求できます。
現経営者が90%以上を有する場合には、この制度を利用して一方的な意思表示で株式を買い取ることができます。

⑥ その他

株式併合を行い、1株未満の端数を会社が買い取る方法、単元株制度(一定の数の株式を1単元とし、1単元の株式について1個の議決権を認める制度です。
例えば、1,000株を1単元とすれば500株を有する株主は議決権を行使できなくなります。)を導入して議決権ベースでの比率を上げる方法、第三者割当てによる新株発行を行い現経営者の比率を上げる方法などがあります。
現経営者が現状どのくらいの議決権を有するかにより、様々な方法が選択可能ですので、専門家に相談しましょう。

承継の方法

後継者へ株式を異動させる方法は、以下のものがあります。

① 売買

株式譲渡契約書を作成して、現経営者から後継者に株式を売却します。
中小企業は株式譲渡制限会社であることが多く、その場合は譲渡制限株式を取得することについて譲渡承認請求手続も行います。
親族内承継では譲渡価格を時価よりも低く設定する傾向がありますが、時価よりも著しく低い価格にしてしまうと、時価との差額が贈与とみなされ、贈与税が課税されるリスクがあります。売買による承継を行う際は、法務と税務の面で専門家に相談することが重要です。

② 生前贈与

贈与は書面がなくても行うことができますが、その場合は撤回ができてしまうため、事業承継の場面ではきちんと株式贈与契約書を作成しましょう。売買と同様に、譲渡制限株式を取得する場合には譲渡承認請求手続が必要です。
贈与税の申告が必要となる場合もあるので、専門家に依頼し中長期的な計画を立てることが重要です。

③ 遺言

後継者に生前に取得させることができない事情がある場合には、遺言による承継を行います。
遺言には自筆証書遺言、公正証書遺言があります。よく用いられる自筆証書遺言では、要式が整っていない場合に無効になるリスクや、紛失・改変のおそれ、発見されないリスクがあります。

確実な財産取得の必要性が高い事業承継では、公正証書遺言を作成し、遺言執行者も定めておくことが最善でしょう。株式の相続手続きをスムーズに行うためには、必ず遺言執行者として専門家を就けておくことをお勧めしております。
なお、遺言の場合には、贈与税の問題は発生しませんが、相続税の申告が必要となります。

④ 株式信託

信託を用いて事業承継を行うこともできます。例えば、現経営者が委託者として、自社の株式に信託を設定し、後継者を受益者とする方法があります。信託を設定する際に、現経営者に議決権行使の指図権等、実質的な会社の経営権を設定しておくと、現経営者が経営権を有したまま後継者に自社株式を承継することが可能となります。
信託終了のタイミングは、信託設定から数年を経過したとき、または現経営者が死亡したとき、など事業承継のスケジュールによって設計することができます。

 

KOMODA LAW OFFICEの強み

事業承継で大切なことは、①株価対策、②相続税対策、③労務対策、④遺留分対策になります。

①株価対策を行うには、会社の決算状況を考慮しながら、資産の組み換えを行っていかなくてはならず、法人税の専門家が必要になります。

②相続税対策を行うには、もちろん税理士の中でも相続税に特化した専門家が必要になります。

③労務対策を行うには、二代目への承継後も円滑に会社経営ができるだけの労務管理体制を構築するため、労務コンサルティングの専門家が必要になります。

④遺留分対策を行うには、オーナー社長の個人資産を総合的に見た上で今後の相続対策を検討しなくてはならず、法務の専門家が必要となります。

一般的には、①税理士、②相続税に強い税理士、③社会保険労務士、④弁護士が必要になるのが事業承継ですが、KOMODA LAW OFFICEでは、弁護士法人・社労士法人・税理士法人を代表の菰田が全て統括しており、これらの専門家集団にてワンストップで事業承継における必要なサポート体制が全て構築可能です。

 

 

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