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遺産相続コラム

任意後見の利点や契約の流れについて

2024.07.23

監修 國丸知宏弁護士

今回は、「任意後見と法定後見」に焦点を当てて、これらについて詳しく解説していきたいと思います。これらの制度を理解することは、将来的にご自身やご家族が直面するかもしれない状況に備えるために非常に重要です。以下の三つの項目についてお話しします。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。

1.任意後見の利点

後見制度は、判断能力が不十分な人を保護し、その法的利益を守るために設けられた法的な支援制度です。
この制度は、主に高齢者、障害者、またはその他の理由で日常生活や財務管理を自分自身で適切に行うことが困難な人々を対象としています。後見制度には、大きく分けて「任意後見」と「法定後見」の二つの形態があります。
「法定後見」は、本人の判断能力が既に低下している場合、または本人が自ら後見人を指名することができない状況で、家庭裁判所が介入して後見人を選任する制度です。法定後見人が選任されると、後見人は裁判所の監督のもとで、被後見人の財産管理や日常生活のサポート(医療費の支払いなど)を行います。
「任意後見」とは、まだ本人の判断能力がしっかりしているうちに、将来的に判断能力が低下した場合に備えて、事前に自分で後見人を指名しておく制度です。この制度の目的は、利用者が自身の意思で安心して将来のことを決められるようにすることにあります。
このように、任意後見は「自分の意思で決めることができる」という最大の利点があります。

2.任意代理契約とは

任意代理契約は、任意後見と並ぶ重要な制度であり、主に財産管理や日常の法務を代理人に託すことができるものです。この契約は特に、高齢者や一人暮らしの方々にとって、日々の生活を安心して送るための支えとなり得ます。
代理契約の特徴として、代理権の範囲を契約によって定めることができるので、不動産などの財産管理から日常の買い物などの小さな判断までカバーすることが可能で、契約の内容を契約者の意思に基づいて柔軟に設計することができるという利点があります。
契約
この契約により、信頼できる人物に重要な判断を委ねることで、もしもの時にも安心して生活を続けることが可能になります。
任意後見契約との違いとしては、任意後見は将来の判断能力低下に備えるもので、任意代理は特定の業務を任せるものという目的が異なります。任意代理契約は、任意後見と異なり、その効力は、契約を締結した時点で即座に発生し、代理権の範囲や期間などは契約書によって自由に設定することができ、契約者の判断能力の有無に左右されません。

3.任意後見契約の流れ

任意後見契約は、以下の流れで効力が発生します。

①後見人の選定:自分の意思で後見人を決定します。ただし、未成年者や破産者を後見人とすることはできません。
②契約の締結:任意後見契約は、必ず公正証書により契約を締結することが必要です。
③契約者の判断能力が低下したと認められた場合、契約が発動します。

この流れにより、契約者は自身の意思で将来のリスクを管理することができます。

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4.おわりに

今回は任意後見と法定後見の違い、そして任意代理契約の概要についてご説明しました。これらの知識を持つことで、自分自身や家族の将来に対してより良い準備をすることが可能です。
任意後見や任意代理契約をご検討の方は、お早めに弁護士等の専門家にご相談することをお勧めいたします。
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