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遺言書コラム

遺言書を作成した方がいい人ってどんな人だろう?

2024.07.24

監修 後藤祐太郎弁護士

このページをご覧になられている方は、少なくとも遺言書を書いた方がいいのかなとお考えになられている方が多いと思います。当事務所は相続専門の法律事務所として、遺言書の作成についても非常に多くのご相談をいただいておりますが、そのご相談の中には「自分は遺言書を作成した方がいいのか?」「自分は遺言書の作成は必要ないと思っているのだが、家族が必要ではないかというので相談に来た」というように、遺言書を作成した方がいいのかという相談が非常に多いように感じます。後述する通り、遺言書は、相続が発生した後の争いを未然に防ぐことができるため、基本的に皆さん作成された方がいいと思いますが、本日は、どのような人が遺言書を作成した方がよいかについてご説明させていただきます。

1.遺言書の作成が特に推奨される方

まず、遺言書の作成が特に推奨されるのは以下のような状況の方が該当します。

①法定相続人以外の人に財産を残したい場合
②相続人同士の関係が良好でない場合
③離婚した配偶者との間に子供がいる場合
④不動産を所有している人

それでは、1つずつ見ていきたいと思います。

①法定相続人以外の方に財産を残したい場合

まず、法定相続人以外の方に財産を残したい場合です。法定相続人とは、被相続人(亡くなった人)の財産を法律に基づいて相続する権利を有する人々のことを指します。日本の民法では、相続人の範囲と相続の順位が定められており、主に以下のような順序で相続権が認められています。

1位配偶者と子供:配偶者は常に相続人となります。子供も基本的に相続人です。子供が先に亡くなっている場合は、その子供の子(孫)が代襲相続人となります。
2位親:子供がいない場合、被相続人の親が相続人となります。
3位兄弟姉妹:被相続人に配偶者、子供、親がいない場合、兄弟姉妹が相続人となります。

上記のように法律によって遺産を相続する人が決められているため、遺言書がないと法定相続人以外の人に財産を残すことが出来ないのです。例えば、親族であっても、孫や甥っ子に直接渡したい場合にはその人に財産を相続させる(「遺贈」といいます。)という遺言を作成する必要があります。

また、親族以外の人に財産を渡したい場合も遺言書で「遺贈する」旨の記載がなければその方に財産を渡すことはできません。また、自分が希望する団体などに寄付をしたい場合にも、遺言書を作成しなければ寄付をすることもできません。

②相続人同士の仲が良くない場合

遺言書がない場合には、相続手続(不動産の名義変更や預貯金の払い戻し)を行うためには、相続人の全員で話し合って遺産分割協議書を作成する必要があります。この協議書の作成については、相続人全員が署名押印を行う必要があり、かつ、印鑑証明書などを取得する必要があるため、話し合いがスムーズに行えたとしても、相続手続きが完了するまである程度時間を要することになります。しかし、相続人同士が疎遠であった場合や、関係が良好でない場合には、話し合いでまとまらない可能性が出てきます。話し合いでまとまらない場合には、遺産分割の調停や審判を申し立てる必要があり、解決までに非常に時間がかかることになります。このように、遺言書が存在しない場合には、相続手続に時間を要することになり、かつ、話し合いがまとまらないと調停や審判などでさらに時間や費用が掛かることになります。

このような事態を防ぐために、生前にきっちり遺言書で誰に何を相続するということを決めておいていただければ、遺言書に従って、スムーズに相続手続きを行うことができるため、相続手続きを迅速に行うことができ、かつ、相続人間の無用な争いを防ぐことができます。

親族

③離婚した配偶者との間に子供がいる場合

離婚した場合、元配偶者は、法律上相続人ではないため、自分が亡くなっても元配偶者には財産は相続されません。もっとも、元配偶者との間の子については、離婚して、元配偶者が親権者となった場合であっても、子が相続人であることに変わりはありません。このような状態で、再婚した場合や再婚相手との間にも子どもが生まれた場合に遺言書を作成せずになくなってしまった場合には、元配偶者の子と、現配偶者や現配偶者との間の子が遺産分割協議を行う必要があり、紛争に発展してしまうリスクが非常に高くなってしまいます。
このような場合にも、生前に遺言書を作成しておけば、現配偶者やその子どもにおいて、元配偶者との間の子と協議をすることなく、相続手続きを行うことが可能となります(すべての財産を現配偶者やその子に相続させた場合、元配偶者との間の子に遺留分侵害額請求権が発生することにはなりますが、その点については、別の機会にご説明させていただきます。)

④不動産を所有している場合

財産が預貯金のみであれば法定相続分によって分割すれば完了ですが、相続財産の中に不動産がある場合には、不動産を分けることは現実的に困難であるため、相続人間で誰が取得するのか、売ってお金に換えるのかなど分配方法について、相続人間で争いになるケースが少なくありません。
このような場合にも、遺言書を通じて、どの不動産を誰が相続するかを具体的に指定することができるため、相続発生時の不明確さや不公平感を避け、相続人間の紛争を防ぐことが可能です。

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2.最後に

遺言書は単なる法的文書ではなく、あなたの人生の最後の意志を伝え、大切な人々を守るための強力なツールです。上記では、特に遺言書を作成した方について、ご説明させていただきましたが、相続手続きをスムーズにするため、争いをできる限りなくすため、基本的にすべての人が遺言書を作成した方がいいと思います。遺言書を作成することで、あなたの相続に関し、「争続」となることを防ぐことができるので、ぜひ皆様一度当事務所にお越しいただき、遺言書の作成方法などについてお問い合わせください。

弊所では遺言書作成のご相談も随時初回無料にてお受けしております。遺言書の作成を考えられている方、自分が遺言書を作成しておくべきなのかわからない方などはぜひ一度専門家の弁護士がいる相続LOUNGE、菰田総合法律事務所へご相談ください。
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