column

弁護士コラム

財産がほぼ自宅だけという人も要注意です

2013.08.29

相続の問題はお金持ちにしか関係がないと思っていませんか。
実は財産が自宅とわずかな預貯金のみという人も相続税の課税対象となる可能性があります。

相続税

相続や遺贈によって取得した財産は、相続税の課税対象となります。
現金や預貯金、土地や建物、有価証券だけでなく、死亡保険金や死亡退職金など死亡時に支払われ、相続によって取得したものとみなされる財産も含まれます。
つまり、経済的価値のある財産の一切について相続税が課されることになります。

相続税の課税対象は、遺産の総額から一定の額を差し引いた残りの額であり、この差し引き分を基礎控除額といいます。

遺産の総額が基礎控除額を超えると、その超えた部分が相続税の課税対象となります。
他方、遺産の総額が基礎控除額を超えない場合には、相続税の課税対象からは外れ、申告も不要となります。

家

2015年の税制改正により、相続税の基礎控除の基準が引き下げられたことによって、「ここまでの財産には相続税がかかりませんよ」というラインがかなり下がりました。
これにより、相続税の課税対象が倍増することになりました。

基礎控除額は以下の計算式により算定されます。

基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の人数)

法定相続人とは、相続人となることのできる民法上の権利を有する者のことをいい、その範囲と相続順位は民法によって定められています。
そして、上記の計算式によると、法定相続人の人数が多いほど基礎控除額も大きくなり、課税の負担から免れやすくなります。

また、相続税の負担を軽減する制度として、基礎控除のほか、以下のような控除や特例があります。

1.配偶者控除

亡くなった人の配偶者は、1億6000万円もしくは法定相続分のいずれか大きい額を相続税額から控除することができます。

2.未成年者控除

遺産を取得する人が18歳未満の場合には、以下の計算式により算定された額を相続税額から控除することができます。

(18歳-相続開始時の年齢)×10万円
3.障がい者控除

遺産を取得する人が一般障がい者か特別障がい者かによって計算式が異なります。

一般障がい者:(85歳-相続開始時の年齢)×10万円
特別障がい者:(85歳-相続開始時の年齢)×20万円
4.相次相続控除

10年以内に2回以上相続した人は、今回の相続税額から一定額を相続税額から控除することができます。

5.贈与税額控除

亡くなった人から相続開始前3年以内に贈与を受けていた場合には、当該贈与の贈与税を相続税額から控除することができます。

6.外国税額控除

国外財産を取得した場合、外国で課せられた税額を相続税額から控除することができます。

7.小規模宅地等の特例

亡くなった人が自宅として使用していた土地は、配偶者もしくは亡くなった人と同居していた親族が相続する場合には、相続税の算定時にその土地の評価額を最大80%減額することができます。
 

当サイトのコラムの著作権は法人に帰属します。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。

 
監修 菰田泰隆

KOMODA LAW OFFICE(弁護士法人菰田総合法律事務所)

福岡市、福岡県内全域を中心に、全国からご相談をお受けしております。
弁護士の他に税理士・司法書士が在籍しており、相続関連業務の弁護士(代理人)業務だけではなく、相続手続から相続登記、相続税申告まで全てを解決できる相続特化の総合法律事務所です。
博多駅徒歩7分。初回相談無料、お気軽にご予約をお待ちしております。

電話予約

0120-755-681

Web予約

無料相談は
こちら Zoom等で対応可能です