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遺産相続コラム

遺言の重要性

2014.05.07

最近多いご相談の一つに、遺言書を書いておいた方がいいのか、というものがあります。

答えは、「書いておくべき」です。

一般的に、遺言書とは遺族がもめそうな場合や、特定の誰かに相続させたいときに書くものという認識でしょう。
 しかし、仮に遺族がもめない、みんなで平等に法定相続分通り分けてもらえれば問題ないという事案であっても、遺言書があるのとないのでは、遺産分割協議を経る必要がないという点で負担が大きく異なります。相続人や相続財産を調査することや、各相続人の署名や印鑑証明書を集めることは大変な手間となるだけでなく、専門家に依頼するとなると費用の負担もかかります。これらの負担から免れるメリットは大きいといえます。

また、円満な相続の実現可能性の点でも遺言書を作成しておく大きなメリットがあります。相続開始前は円満な関係にあった親族間でも、いざ遺産を手にするとなると、より多く遺産を手に入れたいと思う相続人が出てくるのも当然よくあることです。遺言書がない場合には、相続人全員で遺産の分割について話し合った上で合意しなければならないですが、遺産を巡る利害対立のある相続人間で円満に全員が合意するのはなかなか困難です。そこで、前もって遺言書を作成して遺産の帰属を明確に決めておくことで、相続人間のトラブルを防止することができます。

遺言書には、自筆証書遺言と公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。自筆証書遺言とは、本人が全文・氏名・日付を自筆で書いた遺言です。公正証書遺言とは、公証役場公証人が関与して作成する遺言であり、秘密証書遺言は公証役場で第三者が内容を閲覧できない形で作成する遺言です。

 遺言書の作成にあたっては厳格な様式があり、誤った方法で作成すると遺言の効力が生じなくなることから注意が必要です。
遺言書

 また、それぞれの遺言にメリットとデメリットがあります。自筆証書遺言は費用を抑えて手軽に作成できる点でメリットがありますが、偽造や隠匿のおそれがあるというデメリットもあります。これに対して、公正証書遺言は偽造や変造のおそれがなく、公証役場で確実に有効な遺言を作成した上で保管してもらうことができます。しかし、デメリットとしては手続面と費用面で負担がかかります。また、秘密証書遺言は、公証人を含めた第三者に遺言の内容を知られることがないというメリットがある一方で、手間と費用がかかる上に有効性が担保されないため、形式面の不備により無効となるおそれがあります。

それぞれのメリットとデメリットをよく考慮した上で、自己の要望に沿った遺言方法を選択することが重要です。

残されたご家族が手続きを円滑に行うためにも、遺言書を検討されてみてはいかがでしょうか。

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監修 菰田泰隆

KOMODA LAW OFFICE(弁護士法人菰田総合法律事務所)

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