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相続税・贈与税

相続税申告に必要な書類(債務と葬式費用に関する書類)②

2023.04.03

皆さんは、税金の申告をご自身でされたことはありますか。特にこれから説明する相続税申告については、専門的な知識が必要とされるため、一般的には専門家にご相談される方が多いのではないかと思います。

今回は、前回に引き続きあえてご自身で相続税申告を行うことを念頭に、相続税申告の必要書類のうち、一部ご紹介したいと思います。

債務と葬式費用に関する書類

(1)必要書類
書類名 取得できる場所 注意事項
金銭消費貸借契約書
借入金の残高証明書
返済予定表 等
自宅に保管がある場合、
取得する。
所得税の青色申告決算書 事業に伴う債務がないか確認する。
賃貸借契約書 預り敷金や保証金は債務になる。
所得税の準確定申告書及び付表の控え、
納付書のコピー
控えがあれば取得する。 死亡後、相続人が支払った所得税は
債務になる。
固定資産税・住民税(市民税・県民税)の
納税通知書、領収証書等
不明な場合は、市区町村村役場や
都税事務所等へ確認する。
故人が未払だったもの。
その他の税金や社会保険料の
領収書等
電気・ガス・水道・電話代等の領収書 不明な場合は各社に確認する。 生前に故人が使い、
死亡後に相続人が支払ったもの。
クレジットカードの利用明細

 

(2)確認すべきこと
①債務に含まれるものについて

相続開始日に存在している、亡くなった方の借入金や未払金等の債務を、死亡後に相続人や包括承継者が支払った場合、その金額を支払った方の相続財産から差し引くことができます。それらに該当する債務であれば、預金口座が凍結される前に亡くなった方の口座から引き落とされた分も含めて構いません。
固定資産税と住民税については分かりにくいかもしれませんので、以下でご説明します。まず固定資産税についてです。固定資産税は、1月1日現在の所有者に1年分を課税されることになっています。次に、住民税は、1月1日の時点で住民票のある場所に1年分を納める義務があります。つまり、固定資産税も住民票も1月1日以降に亡くなった場合は、既に亡くなった方に1年分全額の納税義務が発生していることになります。そのため、死亡日には納税通知書が届いていなくても、また、納期限が死亡後でも、未払い分は全て亡くなった方の債務です。

②個人事業の債務、賃貸用不動産の預かり敷金について

亡くなった方が個人で事業を営んでいた場合、所得税の確定申告書に添付されている青色申告決算書の賃借対照表に、買掛金、未払金、借入金等の債務がないかどうかを確認してください。賃貸用の不動産をお持ちの場合、入居者から預かっている敷金や保証金は退去するときに入居者へ返金しなければならないため、債務になります。

③葬式費用に含まれるものとは

葬式費用には、通夜・葬儀・告別式の費用、お寺に支払った読経料・戒名料・お布施等、通夜や告別式の際の飲食費用、当日の参列者への会葬御礼や手伝ってくれた人への心づけ等、火葬や埋葬、納骨の費用、遺体や遺骨の運搬費用、遺体の解剖費用等が含まれます。これらの費用を相続人や包括受遺者が支払った場合、葬式費用として相続財産から差し引くことができます。
なお、後日行う初七日や四十九日等の法要にかかる費用、香典返しの費用、お墓や仏壇の購入費法等は葬式費用に含まれませんので、気を付けてください。

④領収書のない葬式費用について

支払ったという事実がある場合、領収書がなくても葬式費用に含めて構いません。支払日、支払金額、支払内容、相手の名前等のメモを作り、相続税の申告書に添付して税務署へ提出してください。

いかがでしたでしょうか。今回ご説明したものだけでも、多くの書類が必要です。相続税申告の手続きをご自身でするのは非常に労力を要しますので、今回の記事が少しでもその手助けになりましたら幸いです。
なお、上記以外の書類や手続きについては、機会がありましたら別の記事で取り扱います。

 

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弁護士法人菰田総合法律事務所

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