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遺留分コラム

遺留分の概要と遺留分減殺請求の問題点

2020.11.21

平成30年民法改正により、従来は「遺留分減殺請求」とされていた請求が「遺留分侵害額請求」へと変更され、それに伴って遺留分に関する制度にもいくつかの変更がありました。
今回は、遺留分という権利の概要とともに遺留分侵害額請求の問題点についてお話ししていきます。

遺留分とは、民法で定められた一定の範囲の相続人に認められている、法定相続人が最低限請求することができる相続分のことを指します。

この遺留分は相続人であれば誰にでも認められるものではありません。遺留分が認められるのは、被相続人の配偶者及び直系卑属(子供や孫など)と直系尊属(両親や祖父母など)に限られており、被相続人の兄弟姉妹には遺留分は認められません。
また、各相続人の有する遺留分の割合は、「遺留分の基礎となる財産額×各相続人の法定相続分×遺留分全体の割合」という計算式によって算定されます。

ここでいう遺留分全体の割合とは、相続人が直系尊属(両親や祖父母など上の世代)のみの場合には3分の1、それ以外の場合には2分の1となります。

 

例えば、遺留分の基礎となる財産が3000万円、相続人が妻と子供3人の場合、

妻の遺留分額=3000万円×2分の1×2分の1750万円

子の遺留分額=3000万円×6分の1×2分の1250万円

となります。

 

上記のケースにおいて、仮に被相続人が「遺産はすべて長男に相続させる」という遺言書を残していた場合、配偶者と残りの子ども達は遺産を受け取れなくなってしまうことになります。そうすると、このような遺言による贈与によって配偶者と残りの子の遺留分を侵害していることになるので、配偶者と子どものそれぞれが、長男に対して遺留分侵害額請求を行うことで、自身の最低限の相続分を請求することができることになります。

 

では、改正前ではこの遺留分の制度で何が問題になっていたのでしょうか。
大きく分けるとポイントは以下の2つです。

1つ目は、改正前では遺留分減殺請求の効果として、現物返還が原則とされていた点です。目的となった遺贈や贈与の全額が減殺されれば目的物の全部の返還を受けることができますが、減殺の程度によっては遺贈や贈与の一部のみが減殺されることとなり、その結果、目的物が一部しか返還されずに共有状態になることにより、共有者間で不都合が生じていました。

そこで、改正後においては、請求によって遺留分侵害額に相当する金銭債権を取得することに統一されることで、このような不都合を解消できることになりました。

 

2つ目は、遺留分減殺請求の対象となる財産のうち、特定の目的のためになされた特別受益にあたる生前贈与について、改正前は期間の限定がなかったために、これまでになされた全ての贈与が対象となっていた点です。これは請求を受ける側にとってはかなりの負担となってしまいます。

そこで、改正後は特別受益にあたる生前贈与は、相続開始前になされた10年間で行われたものに限定されることになりました。

 

遺留分侵害額請求の行使方法や対象となる財産など、より詳しい制度内容については別の記事にて解説しておりますので、ご興味のある方はそちらも併せてご参照ください。

遺留分侵害額請求が問題となるケースでは、感情論の対立が激しいケースが多いものです。その状況を当事者だけで解決しようとすると、なかなか話が進まないため、やはり客観的視点から物事を見て分析し、情報を整理して、関係する法律論だけにフォーカスした議論ができるよう弁護士を間に入れるのが最善策になります。

遺留分侵害額請求を検討されている方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

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