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おひとりさまの相続はどうなる?相続人がいない場合の相続で気を付けるポイント

2023.09.27

最近、当事務所に寄せられる相談の中で、おひとりさまの相続に関する問題が増えています。相続人がいらっしゃらない方の相続に関してどうなっていくのか、どういうところに気をつけなければいけないのかというところについてご説明させていただきます。

1.自分はおひとりさまの相続になってしまうのか?

配偶者に加えて、第一 ~ 第三順位までの相続人がいない=おひとりさまの相続(法定相続人がいない相続)まず、おひとりさまというのは、要するに法定相続人がいない方のことを指します。
では法定相続人というのは、誰なのか?というところですが、まずはご本人の配偶者がまず相続人になります。その次に、子供が法定相続人になります。子供がいないときは、親が法定相続人になります。

さらに、親もいない場合、兄弟姉妹が法定相続人として順番に続きます。
つまり、法定相続人になる順番としては、子供が第一順位、親が第二順位、兄弟姉妹が第三順位という順序です。

ここまでの範囲での相続人が存在しない場合、つまり、配偶者、子供、親、兄弟姉妹といった法定相続人がいない場合が、法定相続人のいらっしゃらないおひとりさまの相続という括りになっていきます。

2.相続人がいない場合、自分が亡くなった後の財産はどこに行く?

菰田代表弁護士さて、配偶者、子供、親、兄弟姉妹といった法定相続人がいない場合、自分の遺産はどうなるのでしょうか?

結論からいうと、自分が亡くなった後の遺産は最終的に国に帰属することになります。

これを「国庫帰属」と呼びます。

国庫帰属により、遺産は国に収められることになるのですが、おひとりさまの場合は相続人がいないので誰も手続きができません。
となると、この遺産が宙に浮いたままになってしまいます。

この状況を解決するためには、相続財産管理人を選任する手続きが必要となります。
どういう手続きかといいますと、「法定相続人がいないので、相続財産を管理する人間がいません。

そのため、相続財産管理人をつけてください」という申立てになり、家庭裁判所に選任申立を行います。
申立てをすると、家庭裁判所が相続財産管理人を選任しますので、裁判所から選任された相続財産管理人が、本当に法定相続人はいないのかというのを調べることになります。
官報への掲載などを含めて、相続人がいないかを確認した上で、やはり相続人はいないということになれば、残された相続財産の処理方法を決めていきます。

もし、借金などの債務があった場合はその返済に充てることになりますがそれもない、また、相続人ではないものの自分の介護を住み込みでずっとしてくれていた近所の方がいたなど、いわゆる特別縁故者とよべるような方がいればその方に財産を分けるという制度もありますが、そういう特別縁故者もいない、そうなると財産を受け取る人がいないということになり、最終的に相続財産管理人が余っている財産を国に渡すということになります。

3.自分の財産を国に渡したくないときはどうすればよいのか?

このように、法定相続人がいない場合、ご自身の財産はお亡くなりになったら全て国に行ってしまうことになります。
この記事を読んでおられる方の中には、それはそれで構わないという方もいらっしゃるかと思いますし、いやそれは困るなという方もいらっしゃるでしょう。

では、自分の財産を国に渡したくないときにどうすればいいのかというと、法定相続人ではない、他のもうちょっと遠い親族にあげるとか、ご友人にあげるとか、もしくはどこかの団体に寄付をするとかの話になってくると思います。

ただし、遠い親戚でもご友人でも同じなのですが、どなたかに遺産をあげたいとき、この方々は法定相続人ではないので、何もなければ遺産を貰う権利がありません。
となると、何が必要かというと「遺言書」です。
遺言書がないと財産が貰える立場になりませんので、法定相続人でない方に財産をあげたいなとお考えの方は、必ず遺言書を書いておくことと、できれば財産をあげたいと思われる方に「自分は相続人がいないからこういう形で遺言書を残したから、自分に万が一のことがあったらあなたに受け取ってほしいんだ」ということを事前に話をしておいてあげてください。

そうでないと、まさか遺言書に自分の名前が書かれていると思っていないので、遺言書があるかないかを確認しようともされないですし、最終的にお亡くなりになってから遺言書を見つけられないとその後の手続きもできないので、遺言書を書いているよということを事前にきちんと話しておくというのが大事なところです。

4.団体への寄附をしたいときも、遺言書が必要です

また、ご自身の相続財産をどこかの団体に寄付する形を取りたい場合、例えば自治体に寄付をする、お世話になったお寺に寄付をする、最後に入っていた介護施設などに寄付をするなど、いろいろな方法があると思いますが、これらについても、団体は相続人ではないので遺言書が必要です。

寄付の場合は事前に話をしておくだけではなく、実際にこの財産を受け取ってくれるのかというところまである程度話を詰めておかなければいけません。
というのも、遺産の中にはいろいろな種類のものが存在します。

例えば現金、預貯金の他に、株式があったり、不動産をお持ちだったり、車もあるかもしれません。

これらの資産は受け取る相手や団体によって価値や有益性がことなるため、場合によってはこの財産は受け取れないですと言われてしまうかもしれません。

そのため、具体的にどこまでを受け取ってもらえるのかを事前に話をしておくことが大切になりますので、こちらもご自身が遺言書でどのような財産を遺したいと考えているのかについて先方とお話されてみてから、遺言書を遺すようにしてください。

5.まとめ

今回は、相続人がいらっしゃらないおひとりさまの相続についてお話ししました。
相続人がいない場合は遺言書をきちんと書いておくこと、その遺言書の中に相続人以外の人に対して財産をあげる旨を書かれてるときは、財産をあげたいと思っている方に遺言書の内容を話しておくこと、それに対して理解を得ておくこと。

そこまでをしっかりしておかないと、最終的に遺言書がきちんと実現されるかどうかがわかりません。
ですので、ご自身が元気なうちから遺言書の準備とその内容の共有をしておいてほしいなと思っております。

どのような内容で遺言書を作ればいいのかが分からないという方は、弁護士が一緒に作成を行いますので、お気軽にご相談ください。
WEB相談もお受けしておりますので、福岡県外からのご相談もお待ちしております。

 

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KOMODA LAW OFFICE(菰田総合法律事務所)

2013年に開業した、弁護士、司法書士、税理士が交渉する総合法律事務所です。年間680件以上の相続相談実績があり、相続関連業務の弁護士(代理人)業務だけではなく、相続手続きから相続
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