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信託

どういった信託契約書が危険なのか その①

2020.11.06

書籍やインターネットで公開されているなかでも次のような信託契約書を用いることは危険です。

(1)条文数の多い信託契約書
条文数が40以上ある信託契約書は利用してはいけません。
条文数が多ければ多い程、家族の想いを実現できるよりよい契約書のように思えるかもしれません。
しかし、普段、法律の条文に触れていない一般の方、特に年老いた親が40条以上の契約書を読むことも理解することも、かなりきつい作業です。携帯電話の契約時などにあの分厚い約款を読め、と言われたことを想像していただけるとそのきつさが実感できるのではないでしょうか。
条数の多い信託契約書は、家族の想いを遂げるものではなく、信託法改正前の商事信託の契約書が参考にされていることが多いのです。商事信託では、金融庁の監督下にある信託銀行・信託会社が顧客とトラブルを起こさないための事細かな規定が盛り込まれています。
家族の信頼関係を基礎とする「家族信託」では、不要な条項を残したままの利用すべきでない信託契約書です。
(2)必要のない信託関係人のいる契約書
「信託監督人」や「受益者代理人」等とやたら登場人物が記載されたひな形が公開されているときがあります。
しかし、「信託監督人」は未成年者又は障がい者が信託された財産から経済的利益を受ける受益者となる場合に、信託された財産を実際に管理する受託者を監視するときに必要となる人です。
「受益者代理人」は、受益者が判断能力の低下や喪失をした場合に、受益者に代わって権利を行使する際に備えて用意する人物です。受益者代理人を置くと、受益者自身がその権限を一切行使できなくなります。
このように必要のない関係人を定めてしまうと、権利関係が複雑になってしまい、家族の想いを汲むことはできません。
(3)受託者の権限が不十分な契約書
「家族信託」をする上では、受託者にどのような権限を与えるか、が家族の抱える課題を解決する鍵となります。
受託者に、包括的な権限しかなかったり、逆に必要な権限が定められていなかったりすると、家族信託の意味がなくなってしまいます。
家族信託は将来に備えた保険にもなるので、様々な事態を想定する必要があります。
受託者の権限が不十分であれば、想定外の事態に対応できないので、参考にすべきではありません。

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