general inheritance

相続一般

遺留分の概要と遺留分減殺請求の問題点

2020.11.21

遺留分の概要と遺留分減殺請求の問題点民法改正で、遺留分に関する制度にも変更がありました。
今回は、その内容をご説明させて頂くのですが、その前に、まずは「遺留分」という権利について少し解説をさせていただきます。

遺留分とは、民法で定められた一定の範囲の相続人に認められている、法定相続人が最低限請求することができる相続分のことを指します。

もう少し詳しくご説明をしますと、具体的に遺留分が認められるのは、被相続人の配偶者及び直系卑属(子供、孫など)と直系尊属で、被相続人の兄弟姉妹には遺留分はありません。
また、遺留分が認められる割合としては、自己の相続分の半分(父母、祖父母などの直系尊属は三分の一)が最低限の相続分として確保されています。

例えば、相続人が被相続人の配偶者と子ども2人だったとします。
この場合の法定相続分は、配偶者が2分の1、子どもたちはそれぞれ4分の1ずつになるので、配偶者はその半分である4分の1、子どもは8分の1が遺留分として確保されている金額となります。

そして、前述した通り、遺留分が認められる相続人については、「遺留分減殺請求」を行うことで、最低限の相続分を請求することができます。
前述したケースで、仮に、被相続人が「遺産はすべて長男に相続させる」という遺言書を残していた場合、配偶者ともう一人の子どもは遺産を受け取れなくなってしまうことになりますが、これは配偶者ともう一人の子の遺留分を侵害していることになるので、配偶者、子どもそれぞれが、長男に対して遺留分減殺請求を行うことで、自身の最低限の相続分を請求することができるという仕組みです。
以上が、遺留分制度の大まかな概要となります。

では、従来の民法では、この遺留分の制度で何が問題になっていたのでしょうか?
大きく分けるとポイントは以下の2つです。

①相続人が受けていた特別受益については、たとえ数十年も前のものだったとしても遺留分の対象として、遺留分算定の基礎となる遺産総額に持ち戻すことになっていた点
②遺留分減殺請求をするということが、目的物の返還請求であったという点

少し専門的な話になるので、詳しい解説は次回に持ち越したいと思います。
次回は、この問題点についての解説の続きと、それを解消するために今回の民法改正で遺留分制度がどう変わったのかをご説明します。
次回の記事はこちら:遺留分制度はこう変わった~算定の方法と請求できる権利内容の変更~

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