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遺産相続コラム

遺言書が無効となるケース

2021.01.17

①民法の規定を満たしていない場合

遺言書は、民法における所定の要件を満たした様式で書かれていなければ、その効力が生じることはありません。その要件とは、以下の通りです。(もっとも一般的な遺言書である自筆証書遺言と公正証書遺言の場合)

(a)自筆証書遺言の場合
・自筆証書遺言の場合、遺言者が、遺言書の全文(財産目録を除く)及び氏名を自書し、捺印が必要。
・財産目録は1枚ずつ署名・捺印が必要(両面の場合は両面とも)
・遺言書の内容の加除・修正を行う場合、遺言者がその場所を示し・変更した旨を遺言書に付記・署名し、変更箇所には押印が必要。
(b)公正証書遺言の場合
・作成の際、証人2人以上の立ち合いが必要。
・遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授する必要がある。
・公証人が、遺言者の口授を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせる、または閲覧させる
・遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した時は、各自これに署名・捺印をする。(遺言者が署名することが出来ない場合は、公証人がその理由を付記し、署名に代えることが可能)
・公証人が、公正証書遺言は上記4つに則り作成した旨を付記し、これに署名捺印をすること。

自筆証書遺言・公正証書遺言については、必ず上記の要件を満たしていなければなりません。満たしていない場合、無効となってしまいます。
無効になった場合、相続人間で話し合い、遺言者の意思を尊重し遺言書同士で遺産分割を行うことは可能です。
しかし、遺言書記載の遺産分割方法に納得がいかず、遺言書の無効を主張された場合は、上記を満たしていないと無効ですので、遺された相続人が揉めないためにも、しっかりと要件を確認してから遺言書作成に臨む必要があります。

②遺言者に意思能力がない場合

遺言者に行為の判断能力など、意思能力がない場合や、認知症で判断能力がない時に作成した(作成させられた)遺言は、民法で定められている遺言書作成の要件を満たしていたとしても、無効となります。

これは自筆証書遺言に限らず、公正証書遺言を、公証人に病院に行って作成してもらっていたとしても、遺言者に判断能力が無いことに起因して無効となります。

また、年齢は、民法では遺言能力(遺言の内容を理解し、判断する能力)があることを前提とし、満15歳以上であれば未成年や被保佐人※でも遺言が出来ると定められています。

※被保佐人:認知症や病気などにより、判断能力が不十分であると家庭裁判所で審判を受けた人。
また、成年後見人が物事を識別・判断する能力が回復した時は、医師2人以上の立ち合いのもと遺言が可能です。口が聞けなかったとしても、一定の方式のもと遺言することが可能です。

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