相続土地国庫帰属制度では相続した土地であることが前提条件ですが、その中でも対象となる土地、ならない土地があります。
今回は、対象とならない土地がどんな土地なのか、2回にわけて詳細に説明していきたいと思います。
もくじ
1.相続土地国庫帰属制度において対象とならない土地
まず、対象とならない土地は大きくわけて5種類定められています。
②担保権や収益を目的とした権利等が設定されている土地
③他人が使用する土地
④有害物質により汚染されている土地
⑤境界が明らかでなく、境界について争いがある土地
この5種類については、そもそも申請の段階で即却下されてしまいます。
つまり、審査すらしてもらえないということです。
2.相続土地国庫帰属制度において対象とならない土地の解説
対象とならない土地について、1つ1つ詳しく見ていきましょう。
①建物が建っている土地
建物は、一般的に土地よりも管理コストが高く、年月が経つにつれて老朽化し、最終的に建て替えや取り壊しといった手間がかかるため、今回の制度を使えるのは土地のみとなっています。
そうなると、申請しようとしている土地とそのうえにある建物の名義が異なってくるため、建物がある土地は申請対象外となっています。
なお、すでに建物は取り壊し済みで建物滅失登記が終わっていないという場合は、建物滅失登記をすることを条件に申請は可能となります。
②担保権や収益を目的とした権利等が設定されている土地
銀行からお金を借りる際に不動産を担保にすることも多いですよね。
つまり、担保にされている土地は、場合によっては担保権が実行され国が土地の所有権を失ってしまう恐れがあるため、担保権が設定されている土地は対象外となります。
また、地上権(※1)や地役権(※2)、賃借権(※3)といった使用収益に対する権利が設定されている土地についても、国が土地の管理をする際に権利者への配慮が必要となってしまうため、申請できないとされています。
①及び②はよくある状況ですので、自分の土地が上記にあてはまらないかどうか、きちんと確認するようにしましょう。
残りの3種類については、次回記事にてご説明します。
次回の記事はこちら:そもそも申請できない土地がある?!②
※2 自分の土地のために、他人の土地を使う権利のこと。例えば、所有地に入るために他人の土地を通らないと入れない場合に、地役権が設定されることがある。
※3 賃貸借契約に基づいて、土地を借りた人が自由に使用等出来る権利のこと。例えば、土地を借りて家を建てるなど。
3.相続土地国庫帰属制度-よくあるQ&A
4.相続土地国庫帰属制度申請手続サポートサービス
弁護士法人菰田総合法律事務所では、相続土地国庫帰属制度の申請を、本人に代わり士業が代行するサービスを行っております。
実際の申請手続きは、該当の土地の特定や境界の確定、負担金の算定など、申請書類を作成する際にある程度の専門知識が必要になり、必要書類の収集も含めて手間がかかってしまいます。
申請に関して少しでも不安がある場合は、初めから全て専門家に依頼されることをお勧めします。

代表弁護士/社会保険労務士/税理士
菰田 泰隆 YASUTAKA KOMODA
KOMODA LAW OFFICE代表。
「クライアントの人生を豊かに」を理念に、ワンストップリーガルサービスを展開。
弁護士法人菰田総合法律事務所
福岡を拠点とした弁護士法人菰田総合法律事務所は、司法書士法人と税理士法人も有した法律事務所です。
相続相談実績は、年間680件以上を誇ります。
相続関連業務の弁護士(代理人)業務だけではなく、相続登記から相続税申告まで全てをワンストップで解決できる士業事務所のため、福岡県内だけでなく、県外からのご相談者様も多数いらっしゃいます。