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遺留分コラム

遺留分額の算定とは?弁護士が解説

2016.11.11

誰かがお亡くなりになって、遺言書で誰か特定の相続人に偏って相続された場合、他の相続人は満足に遺産がもらえなくなりますよね。このように、遺産を満足にもらえなかった相続人に認められる最低限の相続分を遺留分といいます。

今回は、各相続人に遺留分が存在するかどうか、遺留分額の算定方法についてお話ししていきます。

1 遺留分額の計算式

各相続人の有する遺留分の割合は、「遺留分の基礎となる財産額×各相続人の法定相続分×遺留分全体の割合」という計算式によって算定されます。

ここでいう遺留分全体の割合とは、相続人が直系尊属(両親や祖父母など上の世代)のみの場合には3分の1、それ以外の場合には2分の1となります。

例えば、基礎となる財産が1000万円、相続人が妻と子供2人の場合、

妻の遺留分額=1000万円×2分の1×2分の1250万円

子の遺留分額=1000万円×4分の1×2分の1125万円

となります。

2 各相続人の法定相続分

各相続人の法定相続分は、相続人の続柄と人数によって決まります。

① 子及び配偶者が相続人である場合

子:2分の1

配偶者:2分の1

② 配偶者及び直系尊属が相続人である場合

配偶者:3分の2

直系尊属:3分の1

③配偶者及び兄弟姉妹が相続人である場合

配偶者:4分の3

兄弟姉妹:4分の1

これらの子や直系尊属、兄弟姉妹が複数いる場合には、各自の相続分は等分されます。
例えば、配偶者と子2人が相続人である場合には、子1人の相続分は4分の1となります。

3 遺留分の対象財産

遺留分を算定するに当たっては、具体的に何の財産が算定基礎になるかを考えなくてはなりません。遺留分の基礎となる財産とは、以下の遺留分の対象となる財産は、以下の通りです。これらの財産の合計額から債務額を差し引いた額が遺留分算定の基礎となります。

①被相続人の遺産(被相続人死亡時点に保有していた財産)

② 被相続人死亡前1年以内の生前贈与(相続人ではない人に対するもの)

③ 被相続人死亡前10年以内の生前贈与(法定相続人に対するもので、特別受益に該当するもの)※特別受益に該当する生前贈与とは、生前贈与の中でも扶養の範囲を外れるような特 別な生前贈与を言います。

④ ②③以外の生前贈与で、被相続人も贈与される側も遺留分を侵害すると認識しながら行われた生前贈与

例えば、相続人が配偶者と子供2人の場合において、

預貯金500万円

不動産2000万円

借金500万円

子供の1人が特別受益として1000万円の生前贈与を受けていた場合における各相続人の遺留分額は以下の通りになります。

基礎となる財産:(500万円+2000万円+1000万円)−500万円=3000万円

配偶者の遺留分:3000万円×2分の1×2分の1750万円

子各自の遺留分:3000万円×4分の1×2分の1375万円

 

また、具体的相続分の算定においては、被相続人の生前にその財産の維持・増加に対して特別の貢献した相続人に認められる寄与分が考慮されますが、遺留分の算定にあたっては寄与分は考慮されません。

債務として控除される対象は、公租公課などの公法上の債務も含まれます。

一方で、相続税や相続財産の管理費用や遺言執行に関する費用などは、控除の対象となりません。

また、保証債務については、将来支払うかどうか不明であり、その額も不確実であることから、判例によると原則として控除されないとされています。ただし、保証債務の履行が確実といえる特段の事情がある場合には、例外的に控除できるとする判例もあります。

まとめ

このようにして算定される遺留分額を侵害されていれば、遺留分侵害額請求を行うことができます。

なお、遺留分侵害額請求にあたっては、消滅時効の期間にも注意が必要です。そのお話はまた別の記事で。

自身に遺留分がどのぐらい認められるのか不安な方は、お早めに弁護士に相談することをおすすめします。

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