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相続手続き一般

相続でもらえるお金「遺族年金」と「給付金」

2021.05.22

自分のご家族が亡くなった時、とても悲しく現実はなかなか受け入れがたいですよね。
様々な手続きや葬儀・遺産相続など心が休まらないうちにするべきことがたくさんあります。

その中でも、故人が残した預貯金や株式・証券・保険金など一般的に知られている相続財産以外にも、一定の条件でもらえる年金や給付金があることをご存知でしょうか?
今回は知っておきたい遺族年金や給付金について、条件とともにご説明したいと思います。

1.遺族年金とは

遺族年金とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった人が亡くなったときに、その人により生計を維持されていた遺族が受給することができる年金のことです。
一家の家計を支えていた方が亡くなってしまうと、遺されたご家族は経済的にも苦労を強いられますので、そういった負担を軽減するために支給される年金です。

遺族年金受給の基本的な条件は、
・同居していること
(別居でも、仕送りをされていたか、健康保険の扶養親族であったこと等により、生計を同一にしていたことが認められれば、支給を受けることができる可能性があります)
・遺族の前年の収入が850万円未満であることまたは所得が655万5000円未満であること
(5年以内にこの条件を満たす見込みになれば対象となる)

また、遺族年金は、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2つに分類され、故人の年金の納付状況により、いずれかまたは両方の年金が支給されます。
いずれも、保険料納付済み期間が、国民年金加入期間の3分の2以上であることが前提条件になり、その他にも遺族年金を受給する人の年齢や優先順位などの条件があります。(日本年金機構HPより)
ここで、それぞれの遺族年金について詳しく見ていきましょう。

①遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金に加入していた故人により生計を維持されていた、
・子のいる配偶者
・子
(※子=18歳になった年度の3月31日までの間にある子、または20歳未満で、障害等級1級または2級の障害状態にある子でいずれも結婚していないこと)
に支給されます。

ただし、被保険者または老齢年金の受給資格期間が25年以上である者が死亡した時という条件があります。
また、配偶者というのは婚姻関係にない、事実婚の状態であっても故人によって生計を維持されていたとの要件を満たしていれば、受給対象者となります。(ただし、事実婚の証明=健康保険の被扶養者であることや第三者による扶養の証明などが必要です。)

また、遺族基礎年金の支給額(年額)は、遺された子供の人数により以下の通り決定します。

780,900円+子の加算
※子の加算:第1子・第2子…各 224,700円 第3子以降…各 74,900円

そのため、18歳未満の子が4人いる配偶者の場合は、
780,900円+224,700円×2+74,900円×2=1,378,700円 が支給額となります。
また、遺族基礎年金は支給停止になる場合もあります。以下のケースが考えられます。

(1)遺族補償
故人が亡くなったのが、「業務上の理由による死亡」で労基法における遺族補償を受給できる場合はそちらが優先され、死亡日から6年間は遺族基礎年金の支給が停止されます。

(2)配偶者の所在不明
遺族基礎年金を受給している配偶者の消息が1年以上不明の場合は支給停止となります、この場合、子の申請により配偶者の基礎年金を支給停止にして、子に遺族基礎年金が支給されます。

②遺族厚生年金

一方の遺族厚生年金は、厚生年金保険の被保険者であった故人により生計を維持されていた、
・妻
(子のない30歳未満の妻は5年間の有期給付、子のある配偶者と子は遺族基礎年金も併せて受給可)
・子、孫(条件は遺族基礎年金同様)
・55歳以上の夫、父母、祖父母
(ただし、夫は、遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も併せて受給可)
に支給されます。

また、支給の条件として
・被保険者(故人)が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡した場合
・故人が老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上であった場合
・故人が1級・2級の障害厚生年金の受給対象者であった場合
があげられます。

年金額は、遺族基礎年金のように定額ではなく、故人の収入により受給金額が異なります。具体的な額は、年金事務所や専用の相談窓口で確認ができます。

①遺族基礎年金のみ請求の際は、市区町村役場にて手続きが可能です。また、②遺族厚生年金の受給がある場合は、最寄りの年金事務所にて手続きが可能です。

2.遺族年金以外の給付金

続いて、遺族年金以外の給付金についてご説明します。
遺族年金の受給対象ではない場合も、受給要件に当てはまれば給付金が支給されることがあります。それが、①寡婦年金と②死亡一時金です。

①寡婦年金

寡婦年金とは、夫が老齢年金を受給する前に死亡した場合、それまでの期間支払ってきた保険料に応じて、妻に支給される年金のことです。ほかの年金との併給ができません。
この寡婦年金を受給できるのは60歳から65歳になる前まで間で、

具体的には、以下が受給の条件となります。
・故人が国民年因の第1号保険者として保険料を納めた期間が10年以上ある
・障害基礎年金の受給権者ではなく、また老齢基礎年金を受給したことがない
・亡くなった夫と10年以上継続して婚姻関係にあった
・生計維持されていた
・遺された妻の年齢が65歳未満

寡婦年金の支給金額は、老齢年金の年額(年間満額781,700円)の4分の3となります。
こちらも、遺族年金同様に故人の死亡日から5年以内に申請する必要があります。

②死亡一時金

死亡一時金も、寡婦年金同様に国民年金に加入していた故人が支払った保険料に応じて、一定の要件を満たした遺族に支払われる一時金です。

受給の条件は、
・故人が第1号被保険者として保険料を納めた期間が3年以上
・老齢基礎年金・障害基礎年金を受給したことがない
・遺族が遺族基礎年金の受給が出来ない
・寡婦年金の支給を受けていない

となっています。
死亡一時金の支給金額は、国民年金保険料の納付済の月数(免除期間含む)の合計日数により、12万円~32万円と定められています。
また、死亡一時金は故人が亡くなってから2年以内に申請が必要です。

3.まとめ

ここまで、一定の条件で受給できる年金・給付金について見ていきましたがいかがでしたか?

条件が分かりづらく、自分が受給対象者なのか分かりづらい部分もありますので、気になった方は、年金事務所等の専門機関や相続やお金に詳しい専門家に一度ご相談されることをおすすめします。

いずれも、申請期限がありますので、期限を過ぎてしまわないようにご注意ください。

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