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相続税

相続税申告に必要な書類を集めよう~不動産編~

2019.04.08

前回は、遺産分割に関する書類についてお話をしました。
今回は、相続財産の中に「不動産」が含まれている場合、どのような手順を踏めば良いのかを見ていきましょう。

前回の記事はこちらから→
相続税申告に必要な書類を集めよう~遺産分割に関する書類編~

1.手元に保管されている書類を確認しましょう

相続税申告に必要な書類を集めるには、まずは相続人がどこにどれだけの不動産を持っていたのかを特定しなければいけません。

そこで、まずは被相続人が持っている不動産が特定できる以下のような書類が、手元に残っていないかどうかを探してみましょう。

・不動産の権利証
・不動産の登記簿謄本 など

所有者の欄に被相続人の名前があれば、それは亡くなった方が所有している不動産になりますので、相続対象の財産となります。

2.保管書類が見当たらない場合は?

「被相続人の自宅を探したけど、権利証が見当たらない・・」「もしかしたら自分たちの知らない不動産があるかもしれない・・・」など、亡くなった方が持っていた不動産について、情報がない場合もあるかと思います。

そのようなときは、固定資産課税明細書や名寄帳を使って不動産の特定を行います。

固定資産課税明細書は、所有している不動産の情報や固定資産評価額が記載されている書類で、毎年4月頃に不動産の所在地の市町村から所有者の自宅に送付されます。

被相続人宛に届いた課税明細書に記載されている不動産は、被相続人が所有者のものになりますので、遠方の不動産など、相続人が把握していなかった不動産がある場合でも、この明細書を見ればどこにどれだけの不動産を所有しているのかがわかります。

ただし、固定資産税が非課税の不動産に関しては記載されませんので注意が必要です。

名寄帳も所有している不動産の情報や固定資産評価額が記載されているものになり、固定資産税が非課税の不動産や未登記の不動産についても記載されているのが一般的です。
ただし、課税明細書と違って、こちらから不動産の所在地の役所に申請をして発行してもらわなければいけません。

ある程度不動産がありそうな場所に目星がついている場合は良いのですが、不動産の所在地自体に全く見当がつかない場合は、そもそもどの市町村に申請をかければ良いのかも不明確な状態ですので、不動産の特定にかなりの手間がかかることが予想されます。

課税明細書が手元にある場合は、まずはそちらで確認をする方がスムーズです。

また、以下のような場合は注意が必要です。
①被相続人が共有名義の不動産を持っている場合
②既に死亡している先代の名義のままになっている不動産があった場合

①共有名義の不動産
亡くなった方が他の人と共有で不動産を所持していた場合、亡くなった方の持分については相続税の対象となりますので、財産としての計上が必要となります。

ただし、共有名義の不動産の場合は、課税明細書は所有者のうち代表者にしか送付されませんので、亡くなった方宛の課税明細書には記載がされていない可能性があります。
計上漏れのないよう、注意しておきましょう。

単独所有と共有の不動産は名寄帳が別になっていますので、名寄帳を取得する際は気を付けておきましょう。

②既に死亡している先代の名義のままになっている不動産がある場合
被相続人の親など、既に亡くなっている方が所有していた不動産が、名義変更されずにそのままになっているケースもよく見られます。

先代が亡くなった際に、遺言書がなく、かつ遺産分割もなされていない場合は、その不動産の一部を今回お亡くなりになった方の財産として相続税申告に含める必要があります。

ただし、この場合でも所有者の名義が被相続人ではないため、課税明細書や名寄帳には記載されませんので、見落としがないよう注意しましょう。

3.必要な書類を取得しましょう

亡くなった方が所有していた不動産が特定できたら、書類取得に入ります。
相続税申告の際に必要となる代表的な書類は以下の通りです。

所有している不動産が土地なのか建物なのかで必要になる書類が少し異なってきますので、気を付けましょう。

【土地に関する書類】
・登記簿謄本(全部事項証明書)
・地積測量図及び公図の写し
・住宅地図
・固定資産税評価証明書
・名寄帳

【建物(家屋)に関する書類】
・登記簿謄本(全部事項証明書)
・固定資産税評価証明書
・名寄帳

上記書類は一般的に必要になる書類となります。
これ以外でも、土地を無償で貸している場合や不動産を賃貸に出している場合など、追加で書類が必要になることもありますので、ご自身で判断がつかない場合は、専門家に相談に行かれることをおすすめします。

4.まとめ

亡くなられた方がどこにどれだけの不動産を持っていたのか全く把握していなかったため、手続にかなりの時間を要するケースもあります。

期限内に申告ができるよう、早め早めに動きましょう。(期限内に申告ができない場合、加算税や延滞税などの問題が生じますので、お気を付けください。)

また、不動産に関する書類の保管場所や誰名義の不動産がどれだけあるのかなど、いざという時に困らないよう、普段からご家族でしっかり話しておくことも重要です。

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