heritage division遺産分割一般

遺産分割での不動産の評価額について

2022.09.30

 

遺産分割の際に、不動産をどう評価するかで揉めることがよくあります。
このような場合に、不動産がどのように評価されるか解説していきたいと思います。

建物について

まず、建物については、固定資産税評価額で評価することが一般的となります。
皆様のお手元に毎年5月頃に届く固定資産税納税通知書に記載されている金額であり、お手元になければ役所で評価証明書を取得することで判明します。

ここで注意点としては、固定資産税納税通知書には複数の評価額が記載されておりますので、どれなのか分からないといったご相談が多いのですが、役所によって記載方法が違い一概にこの場所ですとお示しすることが難しいものの、一番高い金額と思っていただければ問題ありません。

もちろん、建物の老朽化が激しく事実上価値が0円どころか、多額の解体費用が発生するためマイナスとなることもあるため、そこは個別の協議によりますが、基本的には上記のとおり固定資産税評価額で判断されることになります。

遺産分割での不動産の評価額について

土地について

次に、土地についてですが、土地の評価を示すものとして、上述の建物と同様に固定資産税評価額路線価時価といった3つの評価方法があります。

 

固定資産税評価額とは市町村が所有者に固定資産税を賦課するための基準となる評価額であり、凡そ時価の7割と言われております。

路線価とは、国税庁が毎年7〜8月に公表するその年の1月1日時点における主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格を公示(こうじ:公的機関が一般の人に公表すること)するもので、相続税や贈与税を計算するときの基準となる評価額であり、凡そ時価の8割と言われております。

 

この路線価は、相続との関係では、相続税が発生するか否か、発生するとしていくら発生するか判断するために、不動産の評価が重要となるのですが、その評価の基準として使われることになります。

なお、路線価がない地域については、評価倍率表といって固定資産税評価額の〇倍を基準としますという別の基準が設定されております。
相続税に係る不動産の評価はあくまで課税との関係ですので、遺産分割での不動産の評価とは異なってきます。

結局は当事者間の協議で決まりますので、固定資産税評価額は時価の7割、路線価は時価の8割とされております。
そのため、それぞれ割り戻して時価を計算してそれを基準にすることもありますし、固定資産税評価額や路線価で合意がされることもあります。

ただ、固定資産税評価額や路線価は実態を反映していないことが多く、より活用されているのが不動産会社から実際の売却金額の査定を2~3社から取得し、その平均を取ることで、相続人間の不公平感を払拭するケースが多いです。

遺産分割での不動産の評価額について

もっとも、不動産会社に対する伝え方で変わる可能性もあり、相手方が取った査定書では信用できないと、こちらでも査定書を取得するといったケースもあります。

上記のような多数の基準がある中で、双方合意が出来れば良いのですが、仮に、合意が出来ない場合には、最終的に裁判所が不動産鑑定士に鑑定させてその金額をもって不動産の評価とされることになります。
但し、不動産鑑定士の鑑定には、不動産によりますが約40万円~100万円程度の費用が発生するため、その金額が高すぎることに加え、誰がどのように負担するのか揉めるケースも多数存在します。

そのため、弁護士が入ったケースですと、公平的な基準として、双方が査定書を数社ずつ取得し、それを平均した金額で合意するケースが多いのが実情となります。

不動産の取得者について

これまで、不動産評価の基準について解説してきましたが、この基準が問題となるのは、相続人のうち誰かが不動産の取得を希望しており、それを取得することで遺産の貰いすぎとなり、その差額を代償金として他の相続人に支払う必要があるため、この代償金の金額をいくらとするかでまさしく揉めることになります。

なお、複数の相続人が不動産の取得を希望している場合には、その不動産に居住している等の不動産を取得する必要性と代償金を支払うだけの資力があるかの両面から判断されることになります。

遺産の不動産に居住しており、代償金を支払うだけの資力があるのであれば、その相続人が取得することになりますし、資力がなければ他の相続人が代償金を支払って相続するか、又は、売却して売却に伴う諸費用を控除して、相続分に従って分配するか、相続人全員の共有とするかといった選択を迫られることになります。
この点については、別の記事にて解説したいと思います。

まとめ

以上のとおり、遺産分割の際に不動産の評価で揉めるケースが多いため、不動産をどう評価するか記載させていただきました。

通常は、不動産だけでなく色々な要素が複雑に絡み合って交渉が行われますので、まずは相続に詳しい弁護士等の専門家に相談されることをお勧めします。

 

弁護士:川畑 貴史執 筆
KOMODA LAW OFFICE 弁護士
川畑 貴史 TAKASHI KAWABATA
得意分野は相続、刑事、企業法務問題。
座右の銘は『急がば回れ』

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