heritage division

遺産分割一般

遺産の分割がまとまらない場合どうすればいいの?①

2023.02.24

はじめに

どなたかがお亡くなりになられた場合、遺言書がない場合など、「遺産分割」を行います。

いつ行えばいいのか?ですが、遺産分割は原則、全ての相続人がいつでも「やりたい」と声を上げることができます。
遺産分割には時効がなく、遺産分割をいつまでにしなければならないという決まりはないのです。

遺産分割をしないと相続に関する登記ができなかったり、預金が解約できなかったりしますので、何十年も登記が放置されていたり、長期にわたって遺産分割をめぐる協議が続いたりというケースもあります。

協議がまとまらない場合、親族同士で疲弊もしますし、不動産や事業用資産の相続財産があった場合は分割が決定しないと困ることも出てきます。

遺産分割協議がまとまらない場合、どのような解決方法があるのでしょうか?

遺産の分割がまとまらない場合どうすればいいの?①

1.遺産分割とは

そもそも遺産分割は、民法でどのように定められているのでしょうか。
「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。」とされています。
例えば、相続人が複数人(A、B、C)いた場合、Aが不動産を相続したことで法定相続分よりも多く、他方B、Cは法定相続分よりも少なくなったとしても相続人全員の意見が一致し合意すれば、法定相続分に従わず遺産分割してもよいとされています。

しかし現実では公平に遺産分割を求める傾向が強いため、遺産分割協議の成立は難航することが多々あります。
法定相続分で分けるのだから、争いなんて起こりようがないと思われる方がおられるかもしれません。
遺産が預金だけであれば計算すればいいだけかもしれませんが、例えば不動産や株式など、必ずしも価値が一定ではないものが遺産の中にある場合、価値の評価方法で揉めてしまうケースなどが多いです。

2.遺産分割協議がまとまらない場合の流れ

遺産分割協議が相続人同士でまとまらない場合、裁判所の場での話合いを求めて、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる方法があります。
調停もあくまで話合いですので、相続人間で合意の成立する見込みがない場合には、裁判所は、これ以上調停での話合いを進めても無意味であるとして、調停手続を終了します。

遺産の分割がまとまらない場合どうすればいいの?①

調停が不成立となったときは、調停申立の時に審判の申立があったものとみなされ、遺産分割の審判手続が開始されるという流れになります。

審判の場合は調停とは異なり、当事者間の合意により遺産分割を行うのではなく、家庭裁判所における審判官(裁判官等)の判断で遺産分割の内容が決定されることになります。

審判では、それぞれの相続人の法定相続分を無視した遺産分割審判はすることができないものとされていますので、不動産や事業用資産など、現金や預金のように「山分け」しにくい遺産があった場合、紛争の火種が残ってしまうことを注意しておかなければなりません。

例えば相続人A、B、CのうちAが事業を継承するため法定相続分以上の事業用資産や不動産を相続したい場合も審判に移行すると、法定相続分に従いA、B、Cそれぞれに分割されることが多いです(あくまで基本的な考え方であり、実際の処理は個別のケースによります。)。
相続する側が生前に出来るだけ準備しておくことが一番の解決になると言えるでしょう。

3.まとめ

今回は、遺産分割の基本的な考え方、及び遺産分割の協議がまとまらない場合についてご紹介しました。
次回は、遺産分割協議と遺産分割審判について、解説いたします。
相続問題が生じないようにするために、また相続問題が生じたとしても早期に解決できるようにするために、生前にできる準備(遺言書作成など)の他、遺産分割で揉めてしまったケースについてもご相談をお受けしております。お気軽にご相談ください。
 

当サイトのコラムの著作権は法人に帰属します。
記載内容は投稿日時点のものとなり、法改正等で内容に変更が生じる場合がございますので予めご了承ください。

 
 

電話予約

0120-755-681

Web予約

無料相談は
こちら Zoom等で対応可能です