では、実際に遺留分減殺請求を行う時の方法についてお話していきます。
遺留分減殺請求の行使は、相手方に対する意思表示のみで行うことができます。
必ずしも裁判によって請求する必要はありません。
前回の事例では、減殺請求の対象となる贈与は1つだけでしたが、対象が複数ある場合には、減殺請求を行う順番が法律で決められています。
民法1033条は、遺贈をまず減殺し、遺贈を全部減殺しても遺留分侵害額に足りない時に贈与を減殺することができる、と定めています。
遺贈は、相続開始によって効力が生じ、相続財産から支出されるため、相続財産に含まれない贈与よりも、減殺による影響が少ないからです。
では、遺贈が複数ある場合、その順番はどのように定められているでしょうか。
1034条は、複数の遺贈について、遺贈者に特段の意思表示がない限り、遺贈の目的物全体についてそれぞれの価額の割合に応じて減殺されるとしています。
Aに対する遺贈が500万円、Bに対する遺贈が1000万円の場合、全体額は合計1500万円なので、遺留分侵害額のうちAに対して3分の1、Bに対して3分の2の割合ずつ減殺を行うことができることになります。
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