前回までにお話ししたどの方式であっても、遺言の変更は何度でも自由に行うことができます。
遺言に変更すべき箇所がある場合には、遺言全部を書き直す必要はなく、その遺言の一部を変更することができます。
遺言に変更を加える場合には、遺言者はその箇所を指示し、その箇所を変更した旨を付記して署名したうえ、その箇所に押印しなければなりません(民法968条2項)。
これは、その変更が遺言者自身によるものを担保する(他人による変造を防ぐ)趣旨です。
変更の方式は、偽造・変造のおそれのない公正証書遺言を除くすべての遺言方式に適用があります(970条2項・982条)
遺言内容の変更を伴わない明らかな誤記の訂正には、この方式は適用されません。
変更について方式違反があった場合には、その変更のみが無効となり、遺言は変更のない遺言として効力を有することになります。
しかし、例外的に、変更によって変更前の遺言が方式違反になったり、変更前の文言が判読できない場合には、遺言全部やその条項全部が無効となります。
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